作業療法

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作業療法部門
広島大学の作業療法士
大切な作業や生活行為に焦点を当て、
根拠に基づいた作業療法の実践

我々は、その人にとって大切な作業や生活行為に焦点を当て、根拠に基づいた作業療法を実践しています。とくに、「生活行為向上マネジメント(MTDLP)」を取り入れ、患者さん一人ひとりに合わせた作業療法を提供しています。リハビリ室での心身機能の回復や日常生活の訓練に加え、実際の生活環境での自立を目指します。そのために、多職種との連携や退院前の自宅訪問などを通じて、包括的な支援を行っています。
関係図

1.心身機能へのアプローチ

身体機能
発症後すぐに起きて動くことで、機能が維持・回復する
ベッドから立ち上がろうとする写真 脈を取っている写真
病気を発症し、ベッド上での生活を余儀なくされると、2日以内に筋肉が減少し始めると言われています。そのため、発症直後の高度急性期から、医師をはじめとする多職種と連携し、安全な作業療法を開始します。骨折などの整形外科疾患や脳卒中などの脳血管障害により体の柔軟性が低下したり、麻痺によって動けなくなったりした方には、スプリントやロボット機器などを提供し、身体機能の維持・回復を目指します。
高次機能障害
「できること」を活かして生活を工夫する
水を別の容器に移す訓練の写真 車のシュミレーター
高次脳機能障害を発症すると、「物の場所や予定を忘れる」「集中できずミスが多くなる」「運転するのが難しい」など、生活に支障をきたすことがあります。「できないこと」だけでなく「できること」も含めた評価を行い、生活上の工夫を通じて,就労などの社会復帰まで見据えた支援を行います。
精神科作業療法・院内デイ
幅広い精神疾患患者の精神的・社会的な回復を図る
院内デイサービスの写真 復職支援の様子
精神科に入院・通院している患者さんに対して、生活機能の維持・回復および社会復帰を目的として、家事や金銭管理などの日常生活活動の訓練、社会生活技能訓練(SST)、復職支援などのプログラムを行っています。また、一般病棟に入院中の高齢者を対象に、せん妄の予防・軽減を目的とした院内デイも行っています。

2.活動・参加へのアプローチ

上肢機能訓練
生活で使える手に回復する
木のブロックを持ち上げる訓練の写真 コップを握る訓練の写真
顔を洗う、身だしなみを整える、ご飯を作る、食事をするなど、生活には手と腕の働きが欠かせません。患者さんの能力に基づいて、細かな手の動きや手と腕の協調的な動作の練習を行い、生活で使える手へ回復を目指します。
日常生活活動訓練・手段的日常生活活動訓練
実際の環境で身の回りのことや家事ができるようになる
選択をする訓練の写真 包丁を使う訓練の写真
自立した生活を送るために、更衣やトイレ、調理など、身の回りのことや家事ができることが重要です。動作の練習に加え、やり方を工夫するなど、患者さんに合ったプログラムを提供します。さらに、リハビリ室だけでなく、病室や自宅など実際の生活環境でできるよう、多職種との連携や自宅環境の評価、退院前の訪問などを実施し、自立した生活を支援します。

3.環境へのアプローチ

自助具・福祉用具
心身機能が回復しなくても自立した生活を送る
補助箸をつかってものを掴む練習の写真 目視で文字を入力する練習をする写真
心身機能が回復しない場合でも、自助具や福祉用具などの道具を工夫することで、すぐに自立した生活が実現できることがあります。一部の福祉用具は、介護保険制度などの社会資源を活用した導入が可能であるため、社会福祉士をはじめとする多職種と連携し、患者さんに適した自助具・福祉用具の選定・導入を支援します。

4.多職種連携

患者さんと情報共有をする会の写真 患者さんとの座談会の写真
我々は、心不全センターや緩和ケアチーム、AYA世代チーム、てんかんセンター、痛みセンターなどのチームに参画しています。作業療法士としての専門性を活かして情報共有し、議論するなど、多職種連携を推進することで、患者さんに適した医療を提供しています。